カムイワッカ湯の滝は、全国的にも有名な知床の人気スポット。10月上旬から6月30日までは閉鎖されているので、夏の短い間しか楽しめないことでも知られています。滝壺が温泉になっていることや滝が流れ落ちる姿など、見どころ満載です。
ここでは、カムイワッカ湯の滝の楽しみ方や必要な準備、注意点まで解説します。アクセスもご紹介しますので、訪れる際の参考にしてみてください。
2024シーズンのカムイワッカ湯の滝の利用ルール
利用期間:7月1日から9月30日まで
料金:有料(来訪者すべて)
その他:Webでの予約とレクチャー受講、ヘルメット着用の義務
目次
カムイワッカ湯の滝とは
カムイワッカ湯の滝とは、知床硫黄山から湧き出る温泉が形成した小さな滝です。カムイワッカは「神の水」を意味するアイヌ語で、硫黄山からの水では生物が暮らせないことから、「魔の水」と捉えられることもあったそう。強酸性の温かい湯が流れだすことから湯の滝と呼ばれています。
一の滝から四の滝まで4つの滝まであり、2022年までは落石のおそれがある二の滝から四の滝を除いて、一の滝まで沢登りを楽しめるスポットでしたが、2023年からは四の滝まで行けるようになりました。
シーズンは例年7月1日から10月初旬ごろまでとなっており、ほとんどの時期は車やバイクで入口までアクセスできます。入口からはカムイワッカ川の中を景色を楽しみながら、ちょっとなワイルドなハイキングを楽しめるのが魅力です。
アクセス
カムイワッカ湯の滝への交通手段は、期間によって異なります。その年によって時期は異なりますが、マイカーやバイク、自転車などでアクセス可能です。知床自然センターから知床五湖方面に向かうと分岐があり、未舗装路を道なりに走るとカムイワッカ湯の滝の駐車場が見えてきます。
一方、例年マイカー規制期間が設けられていて、その期間は混雑防止のためシャトルバスのみとなります。シャトルバスには、知床自然センターまでマイカーか路線バスで訪れて乗り換えます。
カムイワッカ湯の滝の楽しみ方
カムイワッカ湯の滝の醍醐味のひとつは沢登りです。駐車場から最初の一の滝までは5分ほどで行くことができます。カムイワッカ川に入って上へと登っていくと、上に近づくにつれて川の水が暖かくなっていくのが面白いポイントです。
川の流れる音に耳を澄ませたり、周りに生い茂る緑を感じたりするなど、知床の自然も存分に感じられます。湯けむりや四季折々の植物の色づきなどは、風情のある景色です。
さらに川の中を歩いていくと、一の滝の滝壺に到着。その後、二の滝、三の滝と進み、最後は四の滝まで登ることができ、上に進むにつれ道中の川よりも水温が高いので、真夏であればしばし入浴を楽しめます。滝壺に入ってみたい方は、水着を持参するのがおすすめです。
また、知床の自然を見られるクルーズ船からは、カムイワッカ湯の滝が海に流れだす様子を眺められます。滝の成分によってエメラルドグリーンになる海なども見られるので、滝壺まで登る自信がない方は、クルーズ船から外観を眺めるのも良いでしょう。
行くときの準備
カムイワッカ湯の滝は、自然や水の多いスポットなので、持ち物や服装の準備が必要です。安全に気持ちよく自然や景色を感じるために、環境に合った服装と持ち物でカムイワッカ湯の滝へと向かいましょう。
ウォーターシューズが便利
沢登りをする際は、ウォーターシューズなどの持参をおすすめします。水の中ですべらないように作られているので、カムイワッカ川の中を安全に歩くことができます。
ちなみに知床アルパのプランには、ガイドが厳選した「滑りづらい」と好評なサポートを受けているmont-bell製サンダルのレンタル料金が含まれています!
濡れてもいい短パンやタオルを用意しよう
一の滝まではカムイワッカ川を歩くので、長ズボンやロングスカートなどは濡れてしまいます。濡れてもいいように、短パンかまくれる長ズボンなどを着用するのがおすすめです。滝壺に入りたい人は、水着を下着代わりにあらかじめ着用しておくと良いでしょう。
また、濡れた足を拭くタオルも用意を! 沢登りを終えた後の身支度が楽になります。
カムイワッカ湯の滝を訪れる際の注意点
カムイワッカ湯の滝は自然に恵まれた場所であり、秘境でもあります。そのため、訪れる際には、道中の運転や野生動物などに注意が必要です。注意点を4つに絞って紹介します。
道中の運転は慎重に行う
マイカーでカムイワッカ湯の滝へ行く場合は、道中の運転に注意が必要です。知床五湖から分岐した滝への道は舗装されていません。
砂利道で不安定なだけはでなく、ガードレールがなく、道幅が狭いので、ちょっとした油断で事故が起きる可能性があります。先行車や後続車がいることもありますが、焦らずに安全なスピードで運転しましょう。
また、森からエゾシカやキタキツネ、時にはヒグマも出てくることもあります。周りに気を配って、野生動物を回避できるように心の準備をしておきましょう。
ヒグマやエゾシカで現れることも
カムイワッカ湯の滝の周辺には、ヒグマやエゾシカなどが生息しています。人や車両の存在を気にしない個体もいるため、思わぬ瞬間に姿を見せる場合もあるので注意が必要です。
鈴を付けたり、声を出したりして人の存在を知らせつつ、ゴミや食料を持ち込まないことが、ヒグマと出会わない対策のひとつです。もし出会ってしまったら、背中を向けて逃げるのではなく、案内看板に書かれているように「騒がず、走らず、ゆっくり後退」しましょう。
ちなみに知床アルパのガイドとカムイワッカ湯の滝を訪れる際は、鈴の携帯を控えていただいています。ガイドが周囲の物音や異変に気付く妨げになるからです。熊と遭遇した場合も、慌てずにガイドの指示に従うようにしましょう。
肌が弱い人は浸かりすぎない
カムイワッカ湯の滝から流れるお湯は、強酸性の性質を持っています。人によって感じ方は違いますが、皮膚がピリピリすることもあるようです。
滝壺では足をお湯に入れたり、浸かったりできますが、肌の弱い人はあまり触れすぎないようにしましょう。
ロープがあっても絶対に使わない
滝壺までのカムイワッカ川には、沢登りをしやすくする設備は一切ありません。ただ、観光客の中にはロープをかけていく人もいるそうです。監視員が見つけ次第撤去していますが、残っている場合も考えられます。
思わずつかんでしまいそうですが、お湯の成分や川の流れなどで腐食していたり、結びが甘かったりするので、大変危険です。もしロープがあっても絶対に使ってはいけません。
知床アルパで知床五湖とカムイワッカ湯の滝を楽しむ
知床アルパは、カムイワッカ湯の滝公認ガイド。研修を受けたガイドがカムイワッカ湯の滝と知床五湖を巡るプランをご用意しています。
「滑りづらい」サンダルのレンタル付きで、地元ガイドが丁寧に2つの名所へご案内するプランです。カムイワッカ湯の滝と一緒に、知床五湖も散策できるので、とても人気ですよ♪